技術営業の顧客メモに、仕様以外で残すこと
型式、能力、設置日、交換部品は残っている。ところが次の訪問で、夜勤班だけ設定を変えていること、前工程が変わって負荷が増えたこと、仮の応急対応が半年続いていることが分かる。仕様書は正しいのに、現場の現在が見えない。
技術営業の顧客メモには、設備の仕様と一緒に、使われ方、変更、未確認を日付つきで残します。現在値へ上書きせず、何がいつ変わったかを追えることが、次の技術判断と営業連絡を支えます。
この図で決めること現在値だけでなく、何がいつ変わったかが次の技術判断を支える。
四つの層を、同じ日付で更新する
| 層 | 残す内容 | 記入例 |
|---|---|---|
| 仕様 | 型式、能力、接続、設置条件 | A型、三相、既設盤へ接続 |
| 運用 | 使用者、頻度、前後工程、停止条件 | 二交代、月末は連続稼働 |
| 変更 | 設定、部品、使い方が変わった日と理由 | 7/10、処理量増加で設定変更 |
| 未確認 | 推測しない項目、確認先、期限 | 負荷上限をメーカーへ8/2確認 |
「現場では高負荷で使用」とまとめると、誰の説明か、いつからか、技術的に確認済みかが分かりません。顧客の発言、営業が見た事実、技術担当の判断を分けます。
現在値へ上書きしない
6月1日:通常設定60、日勤のみ。顧客現場担当の説明。 7月10日:夜勤班が設定75へ変更。理由は月末処理の増加。営業が操作画面を確認。 未確認:連続使用時の上限。メーカー技術へ8月2日までに確認。 次回:回答後、現場責任者と設定範囲を読み合わせる。
最新の「75」だけを残すと、変更理由と期間が消えます。履歴があれば、停止時間の増加や部品交換と同じ時期かを後から比較できます。
顧客の言葉を、社内の結論へ変えない
「この設定でも問題ないと思う」と顧客が話したことは、技術的な使用可否の確認ではありません。営業メモでは原文と話者を残し、安全、能力、保証に関わる判断はメーカー情報と社内の技術・安全責任者へ渡します。
写真や図面を添付する場合は、本文の項目と同じ番号を付けます。個人名や連絡先は必要な範囲に絞り、共有先と保管場所を決めます。変更履歴を複数の個人ファイルへ複製しないでください。
現地で採る情報は位置・運用・制約を持ち帰る調査票、技術へ判断を頼むときは問いを先頭に置く相談票へ渡します。同じ設備の変化を更新候補として見る場合は保守履歴から技術確認候補を絞る方法を使います。
次の訪問メモで、仕様欄を増やす前に「前回から変わったこと」を一行聞いてください。変更日、理由、確認した人、まだ分からないことを分けると、仕様書だけでは見えない現在が残ります。