技術営業の現地調査で、提案前に持ち帰る情報
現地写真は四十枚ある。寸法も手帳に残っている。それでも帰社後、技術担当から「この配管はどこにつながるのか」「設備を止められるのはいつか」と聞かれ、顧客へ電話し直す。
現地調査の成果は、持ち帰った情報量では測れません。見積や提案を作る人が、現場に行っていなくても位置、現物、使われ方、制約、未確認を再現できるかで決まります。
調査票の左上に、今回決めることを書く
すべてを見る調査は終わりません。冒頭に「今回の調査で、帰社後に何を決めるか」を一文で置きます。
既設設備を残したまま交換できるか、必要な停止時間と追加工事を見積もる。
この目的なら、写真の対象は設備だけではありません。搬入経路、接続部、作業スペース、前後工程、分電盤、停止時に影響する設備まで広がります。一方、今回の判断に使わない建物全体の写真は優先を下げられます。
この図で決めること帰社後に現場へ電話し直す項目が、調査票の空欄になる。
写真・寸法・会話を、同じ番号で結ぶ
現場で集める情報を五つに分けます。
| 欄 | 現場で残す内容 | 記入例 |
|---|---|---|
| 位置 | 図面・全景上の場所 | 平面図A-3、北側壁面 |
| 現物 | 型式、寸法、接続、劣化 | 写真12、銘板13、配管径 |
| 運用 | 使用者、頻度、前後作業 | 二交代、洗浄後に起動 |
| 制約 | 停止、搬入、安全、近接設備 | 土曜6時間のみ停止可 |
| 未確認 | 質問、回答者、期限 | 電源容量を設備担当へ8/2確認 |
写真12のメモに「北側配管」とだけ書くと、図面のどこか分かりません。平面図のA-3、写真12、寸法メモ12を同じ番号で結びます。会話で聞いた条件も「顧客担当者の説明」として分け、現物確認と混ぜません。
帰る前の五分で、空欄を読み上げる
現地を離れたあとで取り直せないものから確認します。銘板、接続、搬入幅、停止可能日、写真の位置です。安全に関わる条件や設備の使用可否は、その場の推測で埋めず、メーカー情報や責任者確認へ戻します。
同席者がいるなら、調査目的を読み上げて「この情報で決められるか」を確認します。次のような空欄が残れば、誰がいつ答えるかを置きます。
未確認:既設制御との接続仕様 確認先:顧客設備担当とメーカー技術窓口 回答期限:見積着手前の8月2日 回答がない場合:本体見積と追加工事を分けて前提表示
帰社後の技術相談は、決めてほしいことを先頭に置く五行へこの記録を渡します。見積の前提は見積依頼の受付で含む範囲と未確定へ分けます。履歴を継続して残すなら、技術営業の顧客メモへ変更日ごとに追加します。
次の現地調査票へ写真欄を増やす前に、左上へ「帰社後に決めること」を一文だけ足してください。その一文に使わない写真と、足りない条件が見えるようになります。