展示会に出る前に、会場で聞くことを決めておく
出展が決まると、まずブースの図面と配布物の手配が始まります。パネルの文言を直し、サンプルを箱詰めし、当日は立ちっぱなしで説明を繰り返す。終わってみると名刺が120枚あり、そのうち誰と何を話したか思い出せるのは10枚ほどです。
準備の順番が、設営から始まっているのが原因です。当日に何を聞くかが決まっていないと、会話は製品説明になります。
準備は、会いたい相手を決めるところから始める
来場者全員へ同じ説明をすると、話す相手を選べません。出展前に、会いたい相手を三つに分けます。
| 相手 | 事前にできること | 当日の目的 |
|---|---|---|
| 既存顧客 | 来場予定を聞き、ブースで会う時間を決めておく | 現場で困っている工程を一つ聞く。次の相談の日程を置く |
| 止まっている見込み客 | 過去の見積や問い合わせから、来場しそうな相手を選び案内を送る | 止まっている理由を確認する。再開の条件を聞く |
| 初めて会う来場者 | 出展社一覧と来場対象から、どの職種が来るかを見ておく | 自社の仕事に近い困りごとがあるかを確かめる |
上の二つは、展示会の前に連絡する相手です。ここで数件でも会う約束を作ると、当日のブースが「立って待つ場所」から「会う場所」へ変わります。
この図で決めること終了後3日間を先に空けておかないと、フォローは崩れる。
当日の質問を、三つだけ決める
来場者と話せる時間は数分です。説明を短くする工夫より、聞く質問を決めておく方が効きます。
当日の質問(2026年9月・産業機械の展示会) 質問1: いま、どの工程で人手を取られていますか。 質問2: その工程は、いつから今の形ですか。 質問3: 変えるとしたら、社内で誰が判断されますか。 補足で聞くこと: 導入時期の目安、既に比較している方法があるか。 聞かないこと: 予算額、他社名。初回で聞くと相手が身構える。 記録する欄: 工程、期間、判断者、次の連絡の可否、会話の一言。
質問2が効きます。「いつから今の形か」を聞くと、相手は具体的な経緯を話し始めます。困りごとの深さも、変える気があるかどうかも、ここで見えます。
記録は、名刺よりも会話の側に残す
名刺へのメモは、当日の混雑で読めない字になります。記録の形を先に決め、ブース内の全員が同じ欄を埋めます。
| 欄 | 書くこと | 使うとき |
|---|---|---|
| 工程 | 相手が困っていると言った具体的な作業 | フォロー連絡の1行目に使う |
| 期間 | その状態がいつから続いているか | 相談の緊急度を判断する |
| 判断者 | 相手本人が決めるのか、上長や別部署か | 次に誰へ資料を出すかを決める |
| 次の可否 | 資料を送ってよいか、訪問してよいか、連絡不要か | 送らない相手を先に除ける |
| 一言 | 相手の言葉をそのまま一つ | フォロー文面で会話を再現する |
「連絡不要」を記録できるようにしておくのも大切です。全員へ一斉にメールを送ると、次回の来場時に避けられます。
出展前に、終了後の3日間を予定へ入れる
フォローが遅れるのは、出展後の予定が埋まっているからです。出展を決めた時点で、終了後の時間を先に確保します。
- 展示会の翌営業日: 会話が残っている相手へ、記録の一言を引用して連絡する
- 3営業日以内: 資料を送ると答えた相手へ、約束したものだけを送る
- 1週間以内: 会う約束が取れなかった既存顧客へ、来場の有無にかかわらず連絡する
展示会後のフォローで、宿題の強さから順番を決める方法は展示会で交換した名刺へのフォローにあります。当日に配る資料の構成は営業資料を作る前に決めること、機材の搬入や設営の抜けを防ぐ確認欄はイベント機材の設営準備を併せて見てください。
次に出展する展示会を一つ選んでください。当日に聞く質問を三つ書けず、記録する欄も決まっていないなら、ブースの図面より先にその二つを決める段階です。