見積依頼を受けたら、金額を出す前に聞くこと
「概算でいいので、今日中にお願いします」。急いで過去案件の単価を当て、金額を返す。翌日、数量が違い、現地工事が必要で、希望日は繁忙期だと分かる。早く出した見積ほど、訂正の説明に時間がかかる。
早い受付と、前提が曖昧な金額回答は分けられます。依頼を受けた時点で、確定、未確定、確認先、回答時刻を返せば、相手を待たせずに積算の手戻りも減らせます。
受付時に、六項目を確定と未確定へ分ける
| 項目 | 確認すること | 分からない場合 |
|---|---|---|
| 目的 | 何の判断に使う見積か | 概算比較か発注判断かを聞く |
| 対象 | 品目、数量、場所 | 仮数量と現地確認の要否を分ける |
| 範囲 | 含む作業、支給物 | 本体と追加作業を分ける |
| 時期 | 希望日、回答期限 | 回答可能日を先に返す |
| 判断条件 | 価格以外の納期、仕様、体制 | 優先する条件を一つ聞く |
| 関係者 | 技術、購買、現場、決裁 | 誰の回答待ちかを置く |
すべてを聞き終えるまで受付を返さない必要はありません。「本日受け取りました。数量と工事範囲を確認し、明日15時までに概算条件をお返しします」と、次の時刻を先に約束します。
この図で決めること空欄を隠さない受付が、提出後の値戻りと手戻りを減らす。
空欄を、見積書の前提へ移す
確認できない項目を社内で推測し、見積書に書かないことが手戻りを生みます。空欄は、回答待ちか見積前提として表に出します。
目的:次年度予算の比較用 数量:10台で仮置き、最終数量は現地確認後 含む:本体、標準設定 含まない:既設撤去、追加配線、休日工事 回答待ち:搬入経路を顧客設備担当へ8月2日確認 概算回答:8月3日15時
概算なら「概算」と書くだけで足りません。どの前提が変わると金額や納期が変わるかを添えます。確定見積へ移る条件も書きます。
受付メモを、技術と営業が同じ順で読む
営業が目的、技術が仕様、現場が工事条件だけを見ると、別々の空欄が残ります。受付メモの先頭に「相手がこの見積で何を決めるか」を置き、次に対象、範囲、制約、未確認を並べます。技術へ相談する内容がある場合は、決めてほしいことを先頭に置く五行へ渡します。
見積提出後の追客は、未決定事項から再連絡を作る方法で、受付時の空欄をそのまま使えます。相手が社内で比較する材料を求めているなら、社内検討の判断票へ条件と未確定を移します。
次に来た見積依頼へ、すぐ金額を返す前に「この見積で何を決めますか」と一問だけ聞いてください。答えが取れたら、確定している項目と回答待ちを分け、次に返す時刻まで受付メールへ書きます。