となりの成長室

在庫と陳列を、売れ残りの報告で終わらせない

月末に在庫表を見ると、動いていない商品がある。担当者は「そろそろ値下げしますか」と聞く。社長は「まだ置いておこう」と答える。翌月も同じ棚に同じ商品が残り、新しい商品を置く場所がありません。

在庫の見直しは、残数を数える作業だけではありません。売場の鮮度、置き場所、説明の仕方、仕入れの止め方を一緒に見ます。値下げするかどうかを急いで決める前に、在庫を四つの行き先へ分けます。

売れ残りを四つの行き先へ分ける

同じ売れ残りでも、次の行動は変わります。

行き先見ること次の行動
継続予定どおりの回転か、季節や用途がこれから来るか置き場所と説明を維持し、確認日を置く
売場変更触られているが購入まで進まないか棚、組み合わせ、説明POPを変える
処分長く動かず、次の仕入れを邪魔しているか値下げ、セット販売、限定棚へ移す
仕入れ停止同じ理由で残り続けているか発注点、数量、仕入れ先へ戻す

「売れていないから安くする」と決めると、売場全体の印象まで安売りに寄ることがあります。値下げは一つの手段です。先に、売場を変えれば動くのか、仕入れを止めるべきか、処分基準に達しているかを分けます。

残数から、売場の行き先へ在庫と陳列を分ける四分類売れ残りを、継続、売場変更、処分、仕入れ停止へ分けます。
01継続予定どおりの回転なら確認日を置く
02売場変更触られて戻される商品は見せ方を変える
03処分長期在庫は期間と場所を決めて動かす
04仕入れ停止同じ理由で残る商品は発注条件へ戻す

この図で決めること値下げの前に、在庫の行き先を決めると売場が変えやすい。

在庫表に、売場の変化を足す

在庫表だけでは、商品が売場でどう見えているかは分かりません。月に一度だけ、次の三つを在庫表へ足します。

商品在庫の変化売場で見えたこと次回確認
A商品3週間で2個だけ減少手に取られるが戻される。用途説明が弱い週末までに説明POPを変更
B商品動きなし棚の下段で見えにくい入口側へ移して7日後に確認
C商品季節前に残数多いセット提案で動く可能性関連商品と並べ、月末に処分判断

売場写真を一枚残すだけでも、次回の比較ができます。写真を営業材料へ使う場合は施工・納入写真の公開範囲を決める方法が近いですが、ここでは公開用にせず、売場を変えた証拠として扱います。

日報と会議へ戻す

在庫・陳列の見直しは、月末の棚卸しだけで終わらせません。日々の変化は店舗日報を翌日の一手へ変える方法へ、週次や月次の数字は営業KPI会議を次の実験へ変える方法へ戻します。

値下げや価格条件を変えるときは価格改定の条件差分と同じく、価格だけを動かさず、範囲、期間、対象、戻す日を一緒に置きます。値下げ棚を作るなら、いつ通常棚へ戻すか、どの商品を次回仕入れないかまで決めます。

J-Net21は、売れ残った在庫を売場に放置すると売場の鮮度が落ちると説明しています。また、過剰在庫は資金を固定化し、店舗スペースのロスにもつながります。小さな店ほど、棚の一段と仕入れ資金の使い方が次の売上に影響します。

参考資料

次の在庫確認では、売れ残りを一つ選び、継続、売場変更、処分、仕入れ停止のどれに入るかを決めます。値下げの前に行き先が決まると、在庫表は売場を変える道具になります。

まずは相談から

在庫と陳列を、次の売場判断へ戻しませんか。

売れ残り、品切れ、置き場所、仕入れの記録を見ながら、次に動かす商品と確認日を決めます。