受注後、営業から現場へ渡すキックオフ一枚
注文書、見積書、仕様書を現場へ転送し、営業は「不明点があれば聞いてください」と伝える。着手後、休日工事だと思っていた現場と、平日作業で見積もった会社の認識がぶつかる。資料はそろっていたのに、口頭の約束と成立条件を読み合わせていなかった。
受注後の引き継ぎで必要なのは、営業資料の転記より、顧客の約束、営業の説明、現場の成立条件を同じ場で照合することです。違う表現の項目を未確定として残し、着手前の回答者と期限を決めます。
この図で決めること三者の表現が違う項目を、着手前の未確定として残す。
一枚へ置くのは、四つの境界
| 境界 | 読み合わせる内容 |
|---|---|
| 約束 | 納期、範囲、完成条件、連絡方法 |
| 未確定 | 顧客回答、現地確認、支給物、承認 |
| 役割 | 顧客、営業、現場、協力会社が担うこと |
| 節目 | 着手前、中間、完了前の確認日と責任者 |
「仕様書参照」で済ませず、顧客が最終的に何を受け取れば完了かを書きます。営業が口頭で補足した内容は、確定情報へ勝手に格上げせず、顧客確認が必要な項目へ置きます。
完成例は、未確定が見える
完成条件:設備を据え付け、標準設定で試運転し、現場責任者へ操作説明を行う。 顧客の約束:9月14日午前に設備停止、搬入口を確保。 当社の役割:本体、据付、標準設定。既設撤去と追加配線は別途。 未確定:休日工事の要否。顧客購買が8月5日までに回答。 節目:8月6日に条件確定、9月10日に搬入確認、完了前に受入項目を読み合わせ。
空欄があることは失敗ではありません。空欄を「確認中」とだけ書き、回答者と期限がないことが失敗です。
読み合わせでは、資料の説明を繰り返さない
参加者へ事前に一枚を送り、会議では次を聞きます。
- 顧客の約束と現場条件で、両立しないものはないか。
- 未確定のまま着手すると、誰の仕事が止まるか。
- 完了時に、誰が何を見て受け入れるか。
営業担当がすべて回答せず、技術・現場の成立条件を担当者から聞きます。安全、契約、個人情報など責任者確認が必要な内容は、会議の勢いで確定しません。
受注前の技術判断は問いを先頭に置く技術相談票、担当交代を伴う場合は顧客別の引き継ぎカードから約束を受け取ります。納入後は想定と実際を比べるフォローへ、完成条件をそのまま渡します。
次の受注案件で、注文書の説明からキックオフを始めないでください。一枚の未確定欄を先に読み、回答者、期限、未回答なら止まる仕事を決めてから着手します。