設備納入後のフォローで、最初に確認すること
納入から一週間後、「問題なく使えていますか」と電話する。相手は「はい、大丈夫です」と答える。営業記録には「問題なし」と残る。その三か月後、現場では毎朝の設定に手間がかかっていたと分かる。
満足しているか、不具合がないかだけを聞くと、使えてはいるが負担が増えた場面を拾えません。納入後に確認したいのは、導入前に想定した使い方と、実際の使われ方の差です。
導入前の約束を一つ持って連絡する
連絡前に、提案書、商談メモ、引き継ぎ票から「導入後、こうなるはずだった」を一つ選びます。
想定:担当者一人で、始業前の準備を十分以内に終えられる。
この一文があれば、「問題ありませんか」から「始業前の準備は、実際には誰が何分ほど行っていますか」へ質問を変えられます。想定と実際が同じなら、確認済みの根拠になります。違えば、不具合、説明不足、運用変更、追加要望のどこかを調べます。
この図で決めること差が見つかった欄だけを、改善・確認・次回提案へ回す。
差が出たら、原因を決めつけず四つに分ける
| 見つかった差 | 最初に確認すること | 渡す先 |
|---|---|---|
| 動作・品質が想定と違う | いつ、どの条件で再現するか | 技術・保守 |
| 作業時間が増えた | 前後作業と担当者が変わったか | 運用担当 |
| 使われていない機能がある | 説明、権限、必要性のどこで止まるか | 営業・教育担当 |
| 新しい要望が出た | いま困ることか、将来の改善か | 要望記録 |
営業だけで「使い方の問題」と決めず、現場の言葉と再現条件を残します。安全や故障に関わる兆候は、追加提案の材料にする前に技術・安全責任者へ渡してください。
二回目の確認日は、差の種類で変える
一度の電話で終えず、次の観測日を決めます。
- 不具合の修正後:同じ条件で再発しないか確認する日
- 操作説明の後:実際の担当者が一人で使った後の日
- 繁忙期に差が出る:繁忙期の開始直後
- 要望を保留した:件数や頻度が再発条件へ達する日
たとえば、「月末だけ処理が遅くなる」という声なら、その場で追加機能を提案しません。次の月末に処理件数、待ち時間、困った担当を確認する日を置きます。差が繰り返されたとき、改善の優先度を判断できます。
顧客の声を返答と改善候補へ分ける場合は、要望の行き先を決める記録を使います。同じ設備の停止や部品交換が続く場合は、保守履歴の変化を見る方法へ進みます。既存顧客全体の次回日は、顧客の節目で作る連絡カレンダーへ戻すと担当者の記憶から外せます。
次の納入後連絡では、提案時に約束した状態を一つだけ開きます。「実際には、誰が、いつ、どれくらい行っていますか」と聞き、差があった欄へ確認先と次の日付を書いてください。