退職者の引き継ぎは、マニュアルより止まる仕事から書く
退職日まで二週間。引き継ぎマニュアルを作ろうとしても、日常業務は多すぎます。説明しやすい作業から書くと、実際に止まる仕事が後回しになります。
退職者の引き継ぎで先に書くのは、手順の細かさではありません。その人がいないと顧客、締切、判断、アクセスのどこが止まるかです。限られた期間では、きれいなマニュアルより事業が止まらない順番を優先します。
先に残す四つの仕事
| 優先対象 | 残す内容 | 聞く相手 |
|---|---|---|
| 顧客影響 | 進行中案件、約束、注意点 | 本人と営業責任者 |
| 締切 | 今月中の提出、請求、手配 | 本人とバックオフィス |
| 判断 | 例外時に誰が決めるか | 上司 |
| アクセス | アカウント、保存場所、権限 | 管理担当 |
01顧客影響進行中案件と約束
02締切今月中の提出や手配
03判断例外時の戻し先
04アクセス保存場所と権限
この図で決めること退職前の時間は、止まる順番で使う。
優先順位は影響と期限で決める
| 優先度 | 条件 | 最初に残すもの |
|---|---|---|
| 高 | 顧客影響があり、今月中の期限がある | 約束、担当、次回日、判断者 |
| 中 | 社内だけだが、締切や請求に関係する | 手順、保存場所、確認先 |
| 低 | 頻度が低く、すぐ止まらない | 後で整えるメモ |
引き継ぎは、本人が詳しい仕事から書くと進んでいるように見えます。ただ、顧客への約束や請求、発注、提出期限が残っている仕事を後回しにすると、退職後に社長や上司へ戻ります。
最初の聞き取り例
あなたが休むと、今日中に止まりそうな仕事は何ですか。 今月中に外へ出す約束、請求、提出物は何ですか。 あなた以外が判断しにくい例外は、誰へ戻せばよいですか。
聞き取りは責める場にしません。本人しか知らないことを責めるより、残った期間でどこから移すかを決めます。退職理由や労務上の扱いは、会社の正式な手続きと専門家確認を優先します。
最終週に全部書こうとしない
- 初日に顧客影響と締切を確認し、二日目に判断と例外を聞く。
- 詳細手順は、残った期間で頻度の高い仕事から書く。
- 個人アカウントや個人端末に残る情報は、会社の管理場所へ移す。
- 引き継ぎ先が未定の仕事には、暫定の確認者を置く。
- 最終出社日までに、アカウント停止、権限変更、顧客連絡の予定を確認する。
一枚目に書く引き継ぎ表
| 列 | 書く内容 |
|---|---|
| 仕事名 | 顧客名や個人情報を広げず、社内で分かる範囲にする |
| 次の期限 | 提出、請求、発注、顧客回答の日付 |
| 止まる理由 | 本人しか分からない判断、保存場所、例外 |
| 引き継ぎ先 | 担当者、暫定確認者、戻す上司 |
| 初回確認日 | 退職後に一度確認する日 |
この表で全業務を完成させる必要はありません。止まる仕事を先に見える化し、後から詳細手順を足します。
社長依存の仕事にも近い場合は社長しか分からない仕事を引き継ぐ、顧客管理表を共有できる列にする、営業メモを次の行動が分かる記録にするも確認してください。
退職引き継ぎは、きれいなマニュアル作りから始めると間に合いません。まず、明日その人がいないと止まる仕事を四つの枠へ置いてください。