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求人を出したのに応募が来ないとき、見直す順番

求人を出して3週間。応募はゼロか、来ても条件が合わない人ばかり。原稿が悪いのだろうかと文章を書き直し、また同じ結果になる。採用で止まっている会社では、この繰り返しが起きやすくなります。

応募が来ない理由は原稿だけではありません。募集職種のまとめ方、条件と相場のずれ、掲載先、応募のしにくさ、選考の遅さ。どれか一つが詰まっていると、他をいくら直しても応募数は変わりません。

ここで扱うのは、原稿を書き直す前に確認する順番です。順に見ていくと、直すべき場所が一つに絞れます。

「原稿が悪い」で止めない

応募までの流れは、次の5段階に分かれます。

  1. 求人が求職者の目に触れる
  2. 一覧で興味を持たれ、詳細を開く
  3. 詳細を読んで条件を確認する
  4. 応募操作をする
  5. 選考が進み、辞退されずに残る

原稿が効くのは主に2と3です。1でつまずいていれば原稿を直しても変わりませんし、4や5で落ちているなら応募数の問題ではありません。まず、どの段階で止まっているかを見ます。

症状詰まっている段階先に見る場所
掲載しても閲覧数が伸びない1掲載先、職種名、勤務地の書き方、掲載期間
閲覧はあるが詳細を開かれない2職種名、給与のレンジ、勤務時間の見え方
詳細は読まれるが応募がない3条件と相場、明示事項の不足、仕事内容の具体性
応募途中で離脱する4応募フォームの項目数、スマートフォン表示
応募は来るが辞退される5返信までの時間、面接日程、選考回数

ハローワークや求人サイトの管理画面で、閲覧数と応募数が見られる場合はその数字を使います。数字が取れない場合も、どこで止まっているかの当たりはつけられます。

募集職種を分けすぎ、まとめすぎていないか

一つの求人に複数の仕事を詰め込むと、読んだ人は「自分向けかどうか」を判断できません。逆に、細かく分けすぎると、どれも応募数が伸びません。

  • 営業と事務と現場対応を1件にまとめている
  • 「未経験歓迎」と「経験者優遇」が同じ求人に並んでいる
  • 正社員とパートを1件で募集している

任せる仕事が整理できていないまま原稿を書くと、この状態になりやすくなります。仕事の切り出しからやり直す場合は、求人票を書く前に、任せる仕事を切り出すには採用ページを作る前に、仕事内容を言葉にするにはが入口になります。

条件が相場と離れていないか

給与、勤務時間、休日が地域や職種の相場から離れていると、原稿の書き方では埋められません。感覚ではなく、公開データで確認します。

確認すること使える公開情報
職種・地域の賃金水準厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
職業ごとの仕事内容、必要なスキル、労働条件の目安職業情報提供サイト(job tag)
同じ地域・職種の実際の求人条件ハローワークインターネットサービスの求人検索

同じ地域の同職種の求人を10件並べ、給与レンジ、休日日数、勤務時間、必要経験を書き出します。自社が下位に位置しているなら、原稿ではなく条件の話です。条件を上げられない場合は、通勤のしやすさ、勤務時間の融通、任せる範囲、教える体制など、条件以外で選ばれる部分を具体的に書きます。

2024年4月からの明示事項が埋まっているか

労働条件の明示ルールは2024年4月に変わりました。厚生労働省の案内では、明示が必要になった事項として次が挙げられています。

  • 就業場所・業務の変更の範囲(雇い入れ直後の内容に加えて、変更の範囲も明示)
  • 更新上限の有無と内容(有期労働契約の通算契約期間または更新回数の上限)
  • 無期転換申込機会
  • 無期転換後の労働条件

募集時の明示についても、2024年4月1日施行の改正職業安定法施行規則で、従事すべき業務の変更の範囲、就業場所の変更の範囲、有期労働契約を更新する場合の基準(通算契約期間または更新回数の上限を含む)が追加されています。

対象はハローワークへの求人申込みだけではありません。厚生労働省のリーフレットでは、自社ホームページでの募集や求人広告の掲載を行う場合も、求人票や募集要項でこれらの労働条件を明示する必要があるとされています。自社サイトの採用ページを直していない会社は、ここが抜けたままになっていることがあります。

同リーフレットには、求人広告のスペースが足りないなどやむを得ない場合には、「詳細は面談時にお伝えします」と付したうえで一部を別のタイミングで明示することもでき、その場合も原則として面接などで求職者と最初に接触する時点までにすべての労働条件を明示する必要がある、と記載されています。面接の過程で当初明示した条件が変わる場合は、変更内容を速やかに明示します。

ここが空欄や「会社の定めるところによる」だけになっていると、読んだ人は入社後の異動や契約更新を想像できません。ルールを満たすためだけでなく、応募の判断材料として書きます。「変更の範囲」は、雇い入れ直後にとどまらず、将来の配置転換など今後の見込みも含めた、契約期間中の変更の範囲を指します。

応募導線で落ちていないか

原稿を読んで気持ちが動いても、応募操作が面倒だとそこで終わります。

見る場所よくある詰まり
応募フォーム項目が多い、履歴書の事前提出を求めている、送信後に何も表示されない
スマートフォン表示文字が小さい、応募ボタンが下まで探さないと出てこない
応募方法の指定電話のみ、指定の時間帯のみ
会社を調べたときに出てくる情報自社サイトに採用ページがない、仕事内容が求人と違う

求人を見た人の多くは、応募前に会社名で検索します。そこで出てくるページが古いままだと、応募をためらいます。サイト側の見直しは、サービス紹介ページが問い合わせにつながらないとき、見直す順番と同じ考え方で進められます。

選考が遅くて辞退されていないか

応募が来ているのに採用に至らない場合、原因は選考の進み方にあることがあります。

  • 応募から返信まで数日かかっている
  • 面接日程の候補を出すまでに時間がかかる
  • 面接回数が多く、間隔が空く
  • 面接で何を確認するか決まっておらず、判断が長引く

応募者は他社も同時に受けています。返信が遅れるほど、先に決まった会社へ流れます。まず「応募当日か翌営業日には返信する」だけ決めます。

面接で何を聞くか決まっていない場合は、面接で仕事内容の認識ずれを減らす質問の作り方で質問と評価観点を先に用意できます。採用が決まった後の受け入れ準備は、営業担当を採用する前に、社内で整理しておきたい7つの営業材料新しい営業担当が最初の30日で確認したい顧客・案件・実績にまとめています。

見直しの優先順位

1週間で全部は直せません。次の順で1つずつ変え、変えた項目と結果を記録します。

順番見直す場所判断の目安
1選考スピード応募があるのに辞退されているなら最優先
2条件と相場同地域・同職種の下位なら、原稿より先に条件
3募集職種の分け方複数の仕事が1件に入っているなら分ける
4明示事項と仕事内容の具体性空欄や定型文が多いなら埋める
5掲載先と掲載期間閲覧数が伸びないなら掲載面を変える
6応募導線閲覧に対して応募が極端に少ないなら簡略化

同時に複数を変えると、何が効いたか分からなくなります。1つ変えて2週間、を繰り返します。

よくある失敗

応募がないまま、同じ内容で掲載を延長する

掲載を延ばすだけでは結果は変わりません。延長のたびに1か所は変えます。

給与を上げずに「アットホームな職場」を足す

職場の雰囲気は、条件を確認した後に読まれる部分です。条件で候補から外れていると読まれません。

応募者を待つだけで、現場の受け入れ準備をしない

入社日が決まってから仕事を切り出すと、初日から手が空きます。募集と並行して準備します。

選考基準を決めずに面接する

「何となく合いそう」で判断すると、社内で意見が割れて時間がかかります。応募前に、確認する項目を決めます。

よくある質問

応募が1件も来ません。何から見ますか

掲載先の閲覧数を確認します。閲覧が少なければ掲載面と職種名、閲覧はあるのに応募がなければ条件と仕事内容の具体性を見ます。

未経験者を採るべきか、経験者を待つべきか迷います

任せる仕事を作業・確認・判断に分け、未経験でも任せられる範囲があるかを先に見ます。範囲が作れるなら未経験向けの求人にし、教える手順を用意します。

ハローワークと求人サイトのどちらがよいですか

職種と地域で反応が変わるため、一方に決める前に両方の閲覧数を比べます。数字が取れる期間を決めて試します。

条件を上げる余力がありません

勤務時間の融通、通勤負担、任せる範囲、教える体制、残業の実態など、条件以外で判断される部分を具体的に書きます。実態と違うことは書きません。

まず1職種、1か所だけ変える

今日から始めるなら、募集中の求人を1つ選びます。同じ地域・同職種の求人を10件並べ、給与、休日、勤務時間、必要経験を書き出します。自社の位置が分かったら、直す場所を1つ決めて2週間試します。

参考資料

労働条件の明示や契約に関する個別の判断は、厚生労働省の資料、都道府県労働局・ハローワークの窓口、または専門家へ確認してください。

求人を出しているのに応募が来ない状態が続いているなら、1職種分だけ、任せる仕事の切り出し、条件の確認、原稿と応募導線の見直しを一緒に進められます。

まずは相談から

営業の次の一手を、一緒に決めませんか。

資料が全部そろっていなくても大丈夫です。いま手元にあるものから話せます。今月動かせる相手と、送る言葉まで、一緒に決めましょう。