新人に電話・来客応対を任せる前に決めること
新人に「まずは電話を取ってみよう」と任せる。隣の先輩は忙しく、何かあれば聞いてと言う。新人は丁寧に話そうとするが、価格、納期、クレーム、担当者不在、個人情報の確認が混ざると、どこで止めてよいか分かりません。
応対教育をマナーの暗記から始めると、実際の現場で迷う場面が残ります。最初に決めるのは、言い方のきれいさより、任せる範囲、確認先、言ってはいけないこと、上司へ戻す条件です。
最初の応対を四段階に分ける
新人にいきなり一人で任せる前に、四段階で責任を移します。
| 段階 | 任せること | 合格の見方 |
|---|---|---|
| 見る | 先輩の電話や来客対応を横で聞く | 何を確認していたかを三つ言える |
| 練習する | 社内相手に、受付と復唱を練習する | 相手名、用件、折り返し時刻を残せる |
| 限定して受ける | 定型の問い合わせだけ受ける | 判断せず、決まった欄を埋められる |
| 戻す | 例外を上司へ返す | 戻す理由と急ぎ度を言える |
「分からなかったら聞いて」は、聞く基準が分かる人にだけ通じます。新人には、戻してよい条件を先に渡します。
この図で決めること戻す条件が明確なら、新人へ少しずつ顧客対応を任せられる。
応対トレーニングカードの完成形
新人へ渡すカードは、長いマニュアルでなくてかまいません。最初の一週間は、次のような一枚で十分です。
最初に任せる対応 既存顧客からの担当者確認、営業時間、来店予約の受付。
必ず聞くこと 相手名、連絡先、用件、希望時刻、担当者名。
自分で答えないこと 価格、納期、契約、返金、クレーム、個人情報の変更。
戻す条件 相手が急いでいる、金額が出る、約束変更がある、怒っている、判断を求められた。
戻す相手 店長。不在時は営業責任者へチャットで「相手、用件、期限」を送る。
このカードがあると、新人は断定してよい場面と、止める場面を区別できます。先輩も、毎回その場で教えるより、カードのどの欄で迷ったかを見て次の練習を決められます。
仕事の入口と採用準備へ戻す
営業担当として受け入れる新人なら最初の四週間で完成物を増やす方法へつなげます。採用前に任せる仕事を決める段階なら営業採用前に初日業務と戻す条件を作る方法が先です。求人原稿へ書く仕事内容が抽象的なら仕事内容を一日の場面へ戻す方法で、応募者が入社後の場面を想像できる形へ直します。
厚生労働省の職場における学び・学び直し促進ガイドラインは、職務に必要な能力・スキル等の明確化や、学びの方向性・目標の共有を取り組む事項として示しています。新人応対でも同じです。何を学ぶかだけでなく、どこまで任せるか、どこで戻すかを明確にします。
参考資料
次に新人へ電話や来客対応を任せる前に、「自分で答えないこと」を五つ書きます。任せる範囲が狭く見えても、戻す条件が明確なら、現場は安心して少しずつ任せられます。