サプライヤ品質監査を、指摘で終わらせず改善期限へつなぐ
監査で指摘は出た。写真も撮った。報告書も作った。けれど、次にいつ何を見れば改善したと言えるのかが残らない。すると、次回監査でも同じ話を繰り返します。
サプライヤ品質監査は、相手を責める資料にせず、基準と事実をそろえ、改善期限と確認証拠を決める仕事です。
この図で決めること監査は、指摘ではなく次に見る証拠まで決めて終わる。
指摘は「基準」と「事実」に分ける
監査指摘表では、印象や評価より前に、基準と事実を書きます。
| 欄 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 基準 | 検査基準、作業標準、保管基準、契約条件 | 受入検査基準の記録保管 |
| 事実 | 見たもの、記録、写真、数量、日付 | 直近3ロットの検査記録に空欄 |
| 影響 | 品質、納期、再検査、顧客対応 | 不具合時に対象範囲を追えない |
| 改善案 | 何を変えるか | 検査記録の必須欄と確認者を固定 |
| 期限 | いつまでに変えるか | 次回納入前まで |
| 確認証拠 | 何を見れば改善したと言えるか | 記入済み記録3ロット分 |
「管理が甘い」と書いても、相手は何を直せばよいか分かりません。基準と事実が分かれていれば、改善案も具体化します。
重大度は、感情より影響で分ける
監査で見つけた問題は、言いやすさで順番を決めず、影響で優先順位を決めます。
| 重大度 | 見る影響 | 取る行動 |
|---|---|---|
| 出荷停止候補 | 顧客品質、安全、法令、契約に関わる | 責任者判断まで止める |
| 次回納入前に是正 | 再発時の追跡、検査、保管、作業標準に関わる | 改善期限と証拠を置く |
| 次回監査で確認 | すぐに出荷へ影響しないが標準化が弱い | 次回見る項目へ入れる |
| 情報共有 | 良い取り組み、横展開候補 | 自社内の標準へ戻す |
価格、納期、支払、取引条件を含む話は、品質監査だけで決めません。購買、法務、取引条件の正本へ戻します。
是正報告は、提出されたら終わりにしない
是正報告を受け取ったら、報告書の有無より、現場で変わった事実を確認します。
監査指摘から改善期限までの表 指摘: 検査記録に確認者欄がない。 影響: 不具合発生時に、誰がどの基準で見たか追えない。 改善: 記録様式へ確認者欄を追加し、出荷前に責任者が確認。 期限: 次回納入ロットから。 確認証拠: 次回3ロット分の検査記録。 次回見ること: 欄の有無より、実際に使われているか。
J-Net21は、外注先の品質保証を基準と事実に基づいて構築し、検査基準、作業標準、検査成績、作業報告、クレーム対応報告などを蓄積する考え方を説明しています。監査表も、基準と事実を次の改善へ戻すために作ります。
自社側のサンプル確認は製造品質のサンプル確認で扱います。価格や条件の変更が必要な場合は価格改定を相談する前に渡す材料へ、顧客からの改善要望へ戻す場合は顧客要望の改善ログへつなげます。
参考資料
次の監査報告では、指摘一覧の横に「改善期限」と「確認証拠」を必ず置きます。報告書を出して終わりにせず、次に見る事実まで決まっていれば、監査は改善活動へ戻ります。