となりの成長室

製造品質のサンプル確認を、出荷判断と改善へつなげる

サンプルを見て「少し色が違う」「今回は問題ない」「念のため現場へ言っておく」と会話する。現場では伝わっていても、次のロット、出荷判断、顧客への説明、作業条件の見直しへ残らないことがあります。

品質確認は、不良を見つけるためだけの作業ではありません。どの基準で見たか、何が基準から離れたか、出荷してよいか、何を次回確認するかまでを一つの記録にします。

良い悪いの前に、見た条件を残すサンプル確認を出荷判断へ戻す検査条件、基準、結果、判定、原因候補、次回確認を分けます。
01見た条件サンプル数、光源、測定位置、比較対象
02基準と結果品質基準と測定値・外観を並べる
03判定出荷可、保留、再検査、停止を分ける
04再発確認材料、設備、作業、測定の戻し先を置く

この図で決めること判定の根拠と次回確認があれば、検査結果が改善へ戻る。

判定の前に、見た条件を書く

サンプル確認メモは、良品・不良品の判定から書き始めません。判定の前に、どの条件で見たかを残します。

書くこと
対象品番、ロット、工程、サンプル数A品番、成形後、5点
見た条件光源、測定器、測定位置、比較対象標準サンプルと同じ場所で確認
基準図面、顧客基準、社内限度、過去品外観基準書のB範囲
結果数値、色、外観、ばらつき、写真2点で端部にムラ
判定出荷可、保留、再検査、止める保留。製造条件を確認
次の確認誰が、何を、いつまでに確認するか現場リーダーが温度条件を当日確認

「見た人の感覚」は大切ですが、感覚だけで引き継ぐと次回再現できません。サンプル数、比較対象、光源、測定位置など、あとで同じ確認ができる条件を残します。

原因を一つに決めつけない

品質異常らしきものを見つけたとき、原因を早く言い切るほど動きが速く見えます。しかし、原因が未確認のまま対策を決めると、次のロットで同じ確認をやり直します。

原因候補確認する記録戻す相手
材料入荷ロット、保管、混合、添加購買、倉庫、製造
設備温度、圧力、速度、停止履歴製造、保全
作業段取り、清掃、検査手順現場リーダー
基準図面、限度見本、顧客仕様品質、営業、技術
測定測定器、測定者、場所、光源品質管理

原因候補は、責任探しの欄ではありません。確認先を分けるために書きます。顧客基準や契約条件に触れる場合は、品質部門だけで結論を出さず、営業や技術、契約上の正本へ戻します。

出荷判断は、品質記録と営業判断を混ぜない

品質確認メモには、出荷判断を一行で置きます。ただし、品質としての判定と、顧客への説明、納期、代替、返品リスクなどの営業判断は混ぜません。

出荷判断メモ 品質判定: 基準内。ただし端部の色差は次回ロットで再確認。 顧客影響: 外観部品のため、納入先で見える可能性あり。 出荷条件: 今回は検査写真を添えて品質責任者が承認。 次回確認: 同条件で3ロット分を比較し、同じ傾向なら製造条件を見直す。

J-Net21は、工程上の数値や抜き取り検査から得た情報を使い、工程状態や異常の兆候を見る考え方を説明しています。ここでは統計的品質管理の詳説に寄せず、日々のサンプル確認を出荷判断と次回確認へ戻すための記録に絞ります。

顧客からの改善要望は顧客の要望を改善と次回提案に残す方法で、担当交代時に残す約束は営業担当交代の引き継ぎで扱います。品質判断を営業や技術へ戻す場合は営業から技術へ相談するときの五行へ切り分けます。

参考資料

次のサンプル確認では、判定の前に「見た条件」を一行書きます。良い、悪いの前に条件が残れば、出荷判断も改善も、同じ場面へ戻りやすくなります。

まずは相談から

品質確認を、出荷判断と次の改善へ戻しませんか。

検査結果、基準、判定、原因候補、出荷可否、再発確認を、現場で使える品質確認メモへ整理します。