となりの成長室

電話注文の聞き漏れを、受注メモで防ぐ

電話で注文を受けた人は、相手の声色や急ぎ具合まで覚えています。ところが、在庫を見る人、出荷する人、請求する人には、その場の温度が渡りません。商品名は分かるが数量が曖昧、納期は聞いたが配送先が未確認、折り返しが必要なのに担当が決まっていない。小さな聞き漏れが、あとで聞き直しになります。

電話応対の上手さだけで防ごうとすると、慣れた人に仕事が集まります。受注メモは、言葉遣いの台本よりも、後工程が迷わず動くための受け渡し票として作ります。

電話中に、決定と未確認を分ける

受電中に全部を確定させようとすると、確認が浅くなります。電話の途中で決まったことと、折り返すことを分けます。

確認すること書き方の例
注文内容商品、数量、用途、希望日A商品を12個、週末の店頭用
相手情報会社名、担当、連絡先、請求先既存顧客。請求先は前回と同じか未確認
条件納品先、受取時間、支払、包装午前受取希望。包装は不要
未確認在庫、代替、価格、配送可否在庫8個、残り4個の納期確認
折り返し誰が、何時までに、何を返すか15時までに在庫と分納可否を返す

特に「前回と同じ」は、その場で便利な言葉です。しかし、配送先、請求先、担当者、数量、支払条件のどれが同じかを分けないと、社内では使えません。

受電者の記憶から、後工程の欄へ電話注文を渡す四つの節点電話で聞いた注文を、未確認、在庫・納期、折り返しへ分けて渡します。
01受電注文内容、相手、希望日を受け取る
02未確認在庫、価格、配送、請求の空欄を残す
03確認先在庫担当、出荷担当、請求担当へ分ける
04折り返し返す内容、担当、返信時刻を決める

この図で決めること聞いた内容と未確認を分ければ、電話後の聞き直しを減らせる。

折り返しカードを先に作る

在庫や納期を確認してから考え始める前に、電話を切る段階で折り返しカードを作ります。

折り返しカード 顧客: 既存取引先。連絡先は受電履歴を使用。 返すこと: A商品の在庫8個を先に出すか、12個そろえて翌週に出すか。 確認先: 倉庫担当、配送担当。 返信時刻: 今日15時。 返信者: 注文担当。受電者へ固定しない。

このカードがあれば、受電者が席を外しても注文担当が動けます。顧客へ返す内容も、「在庫を確認します」で止まらず、分納、代替、希望日のどれを返すかが明確になります。

渡す相手別に、必要な情報を減らす

受注メモを全員へそのまま転送すると、読む人ごとに探し直しが起きます。相手別に必要な欄を決めます。

渡す相手必要な欄渡さない情報
在庫担当商品、数量、希望日、代替可否顧客との雑談、社内判断のメモ
出荷担当納品先、受取時間、包装、分納可否見積前の交渉経緯
請求担当請求先、支払条件、注文確定日売場の感想
営業担当顧客の事情、次回提案の余地、未確認個人情報の広い共有

個人の連絡先や担当者名を扱う場合は、必要な人だけが見られる場所に置きます。注文処理に不要な情報まで日報やチャットへ広げないことも、受注メモの設計に含めます。

初回問い合わせの返信時刻は問い合わせ初日の時間軸で決められます。見積に進む前提確認は見積受付で未確定を露出させる方法へつなげます。受注後に現場へ渡す段階では営業・現場・顧客の約束合わせで、注文内容を成立条件へ戻します。

J-Net21は、販売管理業務を見積、受注、出荷、売上、請求、入金までの一連の業務として説明しています。電話で注文を受ける瞬間も、その一連の最初です。受電者だけが分かる記憶を、在庫、出荷、請求へ渡せる欄に変えることから始めます。

参考資料

次に受ける電話注文で、未確認欄と折り返し時刻を必ず書きます。注文内容を全部きれいに聞けなくても、未確認が見えていれば社内で止まりません。

まずは相談から

電話で受けた注文を、聞き直しの少ない流れにしませんか。

受電メモ、在庫確認、折り返し、出荷や請求への渡し方を一件の流れで整理します。