住宅メンテナンスの営業申し送りを、施工班の当日準備へ変える
営業担当は、顧客が気にしていた場所、説明してほしいこと、当日の在宅時間、駐車しにくい場所を知っています。ところが施工班に渡るのは、住所、作業内容、訪問時刻だけになりがちです。
施工班が必要なのは、営業メモの全文ではありません。当日の準備、訪問先での説明、現地で判断してはいけないことが分かる申し送り票です。
この図で決めること施工班が朝に読める欄へ絞れば、営業の記憶が現場準備へ変わる。
施工班が朝に見る欄だけへ絞る
施工前申し送り票は、営業の経緯を全部読むものではありません。朝の準備と訪問先で迷うことへ絞ります。
| 欄 | 書くこと | 読む人 |
|---|---|---|
| 作業範囲 | 今回すること、しないこと、追加時の扱い | 施工班、営業 |
| 顧客が気にしていること | 音、汚れ、時間、説明してほしい場所 | 施工班 |
| 持参物 | 部材、工具、養生、予備、書類 | 施工班、倉庫 |
| 訪問条件 | 在宅時間、駐車、鍵、ペット、近隣 | 施工班 |
| 戻す条件 | 追加費用、範囲外、危険、契約外の相談 | 施工班、営業責任者 |
| 完了確認 | 写真、顧客確認、残作業、請求連絡 | 施工班、事務 |
「営業に確認してください」とだけ書くと、現場から電話が来ます。どの条件なら現場で進めてよく、どの条件なら止めるかを書きます。
顧客説明は、施工班の言葉で持たせる
営業が商談で説明したことを、施工班が同じ言葉で話せるとは限りません。顧客が当日聞きそうなことは、短い返答例にして渡します。
当日説明メモ 顧客の不安: 作業後にどのくらい使えない時間があるか。 施工班から伝えること: 作業後30分は確認時間として見ていただく。使い始めの注意は完了時に説明する。 現場で答えないこと: 追加工事の金額、保証範囲の変更、契約外の作業可否。 戻す先: 営業責任者。写真と状況を添えて確認。
言い方の統一だけが目的ではありません。現場が勝手に約束を増やさないために書きます。
完了条件がないと、施工後も案件が残る
住宅メンテナンスは、作業が終わったら案件も終わるとは限りません。完了確認、写真、残作業、請求、入金、次回点検のどれを残すかを決めます。
| 完了時に見ること | 記録すること |
|---|---|
| 作業完了 | 作業範囲と終わった場所 |
| 顧客確認 | 説明した相手、了承、質問 |
| 写真 | 作業前、作業後、残作業 |
| 残作業 | 誰がいつ連絡するか |
| 請求 | 請求先、追加有無、入金予定 |
国土交通省のリフォーム見積相談制度では、見積や図面の内容と希望の違い、追加費用などが相談対象として示されています。施工班の申し送りでも、現場で契約外の作業や追加費用を曖昧に進めないことが大切です。契約や安全に関わる判断は、必ず自社の契約書、約款、責任者へ戻します。
受注直後の約束合わせは営業から現場へ渡すキックオフ一枚で、現調後から完了までの案件進行はリフォーム現地調査後の案件進行カードで扱います。日程が変わる場合は工程変更を同じ条件で伝える方法へ切り分けます。
参考資料
次の施工予定で、施工班が朝に見る申し送り票を一件だけ作ります。作業範囲、持参物、説明事項、戻す条件があれば、営業の記憶は現場の準備へ変わります。