となりの成長室

既存顧客の利用状況から、今月フォローする相手を決める

月初の営業会議で「今月、既存顧客のどこへ連絡するか」と聞かれる。担当者は売上の大きい順に会社名を挙げるが、連絡の理由は「しばらく話していないから」。電話をしても近況確認で終わり、次の対応が決まりません。

連絡先を選ぶ材料は、最終訪問日だけでは足りません。利用回数、使う人、使う場面、問い合わせの内容。このどれかが前回から変わった顧客を先に見ると、相手にも答える理由がある質問を作れます。

売上が変わらなくても、使い方は先に変わる

利用の変化は、解約や追加提案の予告とは限りません。繁忙期が終わった、担当者が交代した、別の部署でも使い始めた、前後の作業だけ変わった。営業が結論を付けずに変化を拾うと、顧客が今どこで困っているかを確かめられます。

見る変化記録から拾う事実最初に聞くこと
利用回数前月より減った、特定日に集中した使う仕事や時期が変わったか
利用者問い合わせの担当者が変わった引き継ぎで説明が足りない箇所はあるか
利用場面別拠点、別工程から連絡が来た新しい使い方で確認したい条件はあるか
周辺業務手入力、確認、待ち時間が増えた前後の作業で止まりやすい場所はどこか

請求額だけを見ていると、利用回数が減って単価が上がったケースや、一部の人へ作業が偏ったケースを見落とします。数値を見られないサービスなら、問い合わせ、訪問記録、消耗品の注文、担当者変更など、自社で確認できる接点を代わりに使います。

最終訪問日より、利用の変化を見る利用変化から連絡期限を決める利用履歴の変化を顧客業務への影響と質問へ変え、確かめられる時期から連絡日を置きます。
01利用の変化回数、使う人、場面、周辺業務を見る
02影響の仮説顧客の仕事で何が変わったかを分ける
03確かめる質問結論を付けず、変化を一問で聞く
04連絡期限次に確かめられる時期の前へ置く

この図で決めること事実、仮説、質問、期限がつながる顧客から連絡する。

四列の利用変化レビューを作る

顧客一覧へ新しい項目を何列も増やす前に、今月見る顧客を五社ほど選び、別紙で次の四列を埋めます。

利用の変化顧客業務への影響確かめる質問連絡期限
月末三日間に利用が集中締め処理の日だけ担当者が待つ可能性月末に止まりやすい作業は、入力・確認・承認のどこか次の月末の一週間前
新しい担当者から質問が二件引き継ぎ資料だけでは操作場面が伝わっていない可能性最初に一人で判断しにくかった操作は何か二営業日以内
別拠点から消耗品の注文利用範囲が広がったか、在庫の融通かは未確認新しい拠点でも使い始めたのか出荷連絡と同時

二列目の影響は仮説です。顧客へ連絡する前に事実のように書き換えません。三列目の質問へ答えてもらった後に、継続利用の支援、改善確認、提案準備のどこへ進むかを決めます。

優先順位は「変化の大きさ」と「確かめられる時期」で決める

今月の連絡対象は、次の三問で絞れます。

  1. 前回と違う事実を、自社の記録から一つ示せるか。
  2. その変化が顧客の仕事へ影響する可能性を説明できるか。
  3. 今聞かなければ、次に確認できる時期を逃すか。

三つとも当てはまる顧客は、売上順位が低くても先に連絡する理由があります。変化が推測だけなら、営業電話を作る前に社内の記録を確かめます。緊急性がなく、次の点検や予算時期が分かっているなら、その少し前へ連絡日を予約します。

前回から月末の利用が増えていることを確認しました。業務量が増えたと決めつけず、月末だけ使い方や確認手順が変わっていないか伺いたくご連絡しました。入力、確認、承認のうち、待ち時間が出やすいところはありますか。

利用開始直後の確認は導入前の想定と使用後の実際を比べる方法が向いています。点検や予算など顧客側の節目から連絡日を作る場合は既存顧客のフォローカレンダーへ進みます。聞き取った要望は返答期限と改善判断を分ける記録へ渡し、営業メモの中で止めません。

J-Net21は、商品開発や市場開拓を考える際に、既存顧客の声を集め、利用状況を調べることと、定期的に意見を集められる体制を挙げています。利用状況を見る目的を売り込み先の抽出だけに狭めず、顧客の使い方から改善と支援の問いを作るためにも使えます。

参考資料

今月の全顧客を評価し直す必要はありません。問い合わせや利用記録に前回と違う動きがあった顧客を一社選びます。その変化を事実と仮説に分け、相手へ確かめる一問と連絡期限を書ければ、近況確認から先へ進めます。

まずは相談から

利用が変わった顧客へ、確かめる質問を作りませんか。

利用履歴、問い合わせ、担当者メモを並べ、今月確認する顧客と最初の一問を決めます。