納期回答メールは、確定日と未確定条件を分けて送る
顧客から「納期はいつになりますか」と聞かれた。営業は社内へ確認しながら、先に「確認してご連絡します」と返す。翌日、購買からは在庫の一部だけ確保できたと聞き、製造からは残りの手配日がまだ動くかもしれないと言われる。結局、相手にはもう一度「確認中です」と送ることになります。
納期回答で相手が知りたいのは、きれいな日付だけではありません。いつなら動けるのか、その根拠は何か、何がまだ動くのか、次にいつ確定するのかです。全部が決まるまで黙ると、相手は自社の予定を組めません。未確定のまま確約すると、あとで信頼を落とします。
納期回答に入れる五行
納期回答メールは、長い説明より五行で足ります。日付、根拠、未確定、次回連絡、相手の判断を分けます。
| 行 | 書くこと | 相手が決められること |
|---|---|---|
| 回答する納期 | 確定日、または目標日と回答期限 | その日程で社内予定を組むか |
| 根拠 | 在庫、製造枠、仕入先回答、配送条件 | 待つ理由を説明できるか |
| 未確定条件 | 数量、仕様、入金、支給物、承認 | 先に返すべき情報は何か |
| 次回連絡 | 次にいつ、何を確定して返すか | 催促せず待てる時刻 |
| 相手の判断 | 分納可否、代替品可否、希望期限 | 予定を優先するか条件を変えるか |
「9月10日頃です」だけだと、相手はその日付を確定として扱ってよいか迷います。「9月10日出荷予定、在庫確保済み、配送便だけ9月3日15時に確定します」と分ければ、待つ範囲が見えます。
確定できる日付と、約束できない日付を混ぜない
納期には、似ているけれど意味が違う日付があります。
| 日付 | 使う場面 | 書き方 |
|---|---|---|
| 確定納期 | 在庫、手配、配送がそろっている | 9月10日に納品します |
| 目標納期 | 条件が残るが、社内で狙っている | 9月10日納品を目標に進めています |
| 回答期限 | まだ確約できない | 9月3日15時までに確定納期を回答します |
| 希望納期 | 顧客が望んでいる | 9月10日希望として社内手配を確認します |
この四つを一つの「納期」にまとめると、社内では確認中、顧客側では確定済みというズレが生まれます。メールでは、何の日付かを短く添えます。
返信文の完成例
次は、まだ一部だけ未確定のときの返信例です。
ご確認ありがとうございます。 A部品300個の納期は、120個を8月28日に先行出荷、残り180個を9月6日出荷の予定で手配しています。 120個分は国内在庫を確保済みです。残り180個は仕入先から9月2日入荷予定の回答を受けています。 配送便の確定だけ9月3日15時まで確認し、同日中に最終納期をご連絡します。 先行出荷で進めてよいか、また全量を待つ必要があるかをご返信ください。
この文面なら、相手は二つを判断できます。先に120個を使ってよいか。残りを待つ間に社内へどう説明するか。まだ確定していない配送便も、いつ分かるかが見えています。
「確認中です」で止めないための社内メモ
納期回答の前に、社内では次の一行を作ります。
対象: A部品300個。 顧客希望: 8月末に120個、9月上旬に残り。 確定: 国内在庫120個、8月28日出荷可。 未確定: 残り180個の配送便。9月3日15時に購買から回答。 顧客へ聞くこと: 先行出荷の可否、全量待ちの必要性。
この一行がないままメールを書くと、「確認中」と「たぶん大丈夫」が混ざります。営業、購買、製造、配送のどこで止まっているかを行で分けると、相手へ返せる範囲も分かります。
納期を早められないときの返し方
希望日に間に合わない場合も、謝罪だけで終えない方がよいです。相手が次に選べる条件を置きます。
| 状態 | 返信で置くこと | 相手の選択 |
|---|---|---|
| 一部だけ出せる | 数量、日付、残りの回答期限 | 分納で進めるか |
| 代替品がある | 違い、使える条件、確認期限 | 代替でよいか |
| 仕様確定待ち | どの仕様が決まれば手配できるか | 先に仕様を決めるか |
| 支給物待ち | いつ届けば希望日に近づくか | 自社側の準備を急ぐか |
相手の希望をそのまま受けられないときほど、次に選べる道を短く出します。全量を待つ、分納する、仕様を先に決める、代替を検討する。この選択肢があると、相手は自社の中で調整できます。
納期が遅れそうな初報は仕入や輸入遅延を顧客へ先に伝える、納品直前の現地条件は納品前メールで当日の戻りを減らす、発注書を受け取った直後の返信は発注書受領メールの五行で分けて整理できます。
次に納期を聞かれたら、日付を一つだけ探さないでください。確定している日付、動く条件、次回連絡、相手に決めてほしいことを五行に分けると、回答メールは予定を進める材料になります。