となりの成長室

BtoBの導入事例ページは、判断の流れから組み立てる

導入事例ページを作ると、最初に載せたくなるのは成果の大きさです。「売上が伸びた」「業務が効率化した」「満足度が高い」と書けば、強いページに見えるかもしれません。けれど、検討している相手が知りたいのは、自社と似た状態で何を確認し、どこまで頼めて、社内へ何を説明すれば次へ進めるかです。

事例ページは、過去の仕事をほめる場所に寄せすぎると、問い合わせ前の判断材料になりません。相談前の状態、決めたこと、担った仕事、仕事の大きさ、残ったものを順に置くと、相手は自社の資料や会議に持ち帰りやすくなります。

ページに入れる順番を先に決める

事例ページの材料を集める前に、読者が確認する順番へ箱を分けます。文章を整える作業は、その後で十分です。

順番書くこと読者が判断できること
1. 相談前の状態どの業務が、どの場面で止まっていたか自社にも近い状況があるか
2. 決めたこと何を選び、何を後回しにしたか進め方が現実的か
3. 担った仕事誰と確認し、何を作り、どこまで動かしたかどの範囲を頼めるか
4. 規模と条件対象数、期間、関係者、使った材料自社で始める重さを想像できるか
5. 残ったもの表、文面、手順、判断基準、次回の使い道一度きりの作業で終わらないか

この順番にすると、成果の数字がなくても仕事の輪郭は残ります。成果を出す場合も、どの状態から何を動かした結果なのかを先に示せます。

成果見出しを、社内説明に使える見出しへ直す

整理前

導入後、問い合わせ対応が効率化しました。

この一文だけでは、何が止まっていたのか、誰が何を使ったのか、読者は判断できません。効率化の根拠や公開許可が未確認なら、成果としても弱くなります。

整理後

問い合わせの受付、回答担当、次回確認日が別々に管理されていたため、営業とサポートが同じ質問を重ねていました。既存の問い合わせ履歴から、回答待ち、判断待ち、再連絡待ちの三列を作り、毎週確認する表へ移しました。

派手な表現ではありませんが、読者は「自社でも問い合わせ履歴を見れば始められるか」「営業とサポートのどこをそろえるか」を考えられます。ページの目的は、強い形容詞を足すことより、相手が次に確認する材料を渡すことにあります。

事例ページ用の四行メモを作る

公開文を書く前に、次の四行だけを埋めます。空欄がある場合は、ページ化の前に社内確認へ戻します。

書く内容確認すること
止まっていた仕事どの業務が、誰の手元で止まったか顧客を責める書き方になっていないか
判断したこと最初に決めた範囲、後回しにした範囲ただの作業紹介になっていないか
渡したもの表、文面、ページ、手順、会議用メモ成果物の用途まで説明できるか
次に残ったこと誰が、いつ、何を見て続けるか一度きりの制作で終わっていないか

完成行は、たとえば次のように書けます。

止まっていた仕事:展示会後の名刺と問い合わせが別々の表に残っていた。 判断したこと:連絡理由が説明できる相手を先に選び、全件送付は後回しにした。 渡したもの:20社分の連絡理由、初回文面、次回確認日を同じ行にした表。 次に残ったこと:毎週、反応あり、保留、送らないを見直す会議で使う。

この四行をページの骨子にすると、実績紹介が「すごそうな話」から「うちでも確認できそうな仕事」へ変わります。

数字を出す前に、根拠と公開範囲を分ける

売上、受注、削減時間、導入社数のような数字は、根拠と公開許可がそろうまで入れません。確認できない数字を外しても、仕事の規模は書けます。

出しやすい材料使い方
対象数の幅数十件、数百件など、仕事量が分かる範囲へ丸める
期間数日、数週間、月次など、進め方を想像できる単位にする
関係者営業、現場、管理部門など、調整が必要な相手を示す
残った道具表、文面、手順、判断基準など、次回使えるものを書く

顧客名を出せない場合は、匿名でも仕事の輪郭を残す方法で特定条件を外します。顧客の声を使うなら、主張、場面、根拠、許可へ分ける方法で確認します。営業資料全体の順番は、相手の次の判断を先に決める方法で別に組みます。

既存の実績メモを一件開き、成果の見出しを書く前に四行メモを埋めてください。相談前の状態、判断、渡したもの、次に残ったことがそろえば、その事例ページは相手の社内説明に使える材料になります。

まずは相談から

事例ページを、相手の社内説明に使える順番へ直しませんか。

既存の実績メモ、写真、顧客の声、営業資料を並べ、ページに出す材料と社内確認に戻す材料を一緒に分けます。