名刺や問い合わせを、次に連絡できる一覧へ変える
机の引き出しに名刺が二百枚ある。共有メールには数年前の問い合わせも残っている。「一度、全部を顧客管理へ入れよう」と決めるたび、入力項目の多さを見て止まる。
二百件を登録しても、営業は始まりません。最初に必要なのは、相手の名前より「どんな会話の続きなら、いま連絡しても不自然でないか」です。会話を再現できる接点だけを選び、連絡理由のないものは保管に戻します。
20件だけ、三十秒ずつ見る
名刺の束と問い合わせ履歴を同時に片づけません。今日は名刺20枚、明日は問い合わせ10件のように、出所を一つに絞ります。一件あたり三十秒で、次の問いに答えます。
- 何をきっかけに接点を持ったか。
- 相手が話していた仕事や困りごとを一文で言えるか。
- 次に話す時期、宿題、確認事項のどれかが残っているか。
三つ目まで答えられる接点だけを「連絡候補」へ移します。役職が高い、有名な会社、近い業界といった理由だけでは移しません。送る理由を後から作ると、定型の売り込みになります。
この図で決めること連絡理由が残らない接点は、無理に営業案件へ変えない。
完成行は、連絡文の骨組みになっている
顧客一覧へ入れる前に、次の一行が書けるか確認します。
| 接点 | 相手が話した場面 | 次に確かめること | 連絡する日 | 状態 |
|---|---|---|---|---|
| 7月の業界会合 | 点検記録が担当者ごとに散らばる | 次の点検前に一覧化が必要か | 9月2日 | 日付予約 |
この行があれば、連絡文は「先日の会合で伺った点検記録について、次の点検前に一度まとめる必要があるか確認したく、ご連絡しました」と始められます。会社名とメールアドレスしかない行からは、この一文が作れません。
連絡先は、すでに管理している正本を参照します。共有表へ電話番号や個人メールを何度も複製すると、削除や訂正が必要になったときに追えなくなります。個人情報保護委員会は、個人情報を取得した場合の利用目的の通知・公表についてガイドラインで示しています。名刺や問い合わせ情報を別の一覧へ移すときも、当初の接点と利用範囲を確認してください。
「思い出せない」を営業対象にしない
名刺を見れば顔は分かるが、話題が出てこない。その接点は、いったん保管で構いません。全件を案件化することより、連絡の根拠がある相手へ失礼のない一通を送ることを優先します。
展示会の名刺なら、会場で残った宿題から選ぶ方法を使うと、ブースごとの話題を拾えます。紹介で会った相手なら、紹介案件の受け渡しで、本人が望む連絡範囲を先に確かめます。問い合わせ履歴なら、初回返信で次の時刻を返す方法を見直すと、新しい接点からメモを残せます。
参考資料
20件を見終えた時点で、連絡候補が一件あれば作業を止めます。その一件へ質問を一つ送り、返事を待つ間に次の20件を見る。名簿の完成より先に、会話の続きが始まります。